標識を動かす実写モーショングラフィックスの作り方/Adobe After Effects CC

2019/11/28
 
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カズノコ
早稲田大学卒業→大手音響会社に新卒で就職→デジタルサイネージ向け動画の企画、編集などの業務に従事→田舎で映像フリーランスとして企業VP・株主総会動画・アプリ紹介動画・WEB動画教材コンテンツなど、企業様の動画コンテンツのオンライン編集をメインにお仕事を受注。 銭湯が好き。

カズノコです。今回は、最近流行りの標識を動かす実写モーショングラフィックスの作り方について解説します。もちろん、Adobe After Effects CCの標準機能のみを使用して作っていきます。

はじめに

先日TikTokに挙げた、とある動画が立て続けにバズりました。
そう。勝手に標識を変えてしまう実写モーショングラフィックスです。

3日ほど前に、この標「識を動かしインスタ映えさせた動画」の投稿を皮切りに、立て続けにバズり続け、今尚拡散し続けています。(2019年8月現在)

そこで今回、このような没入感を演出するような実写の物を動かす方法を解説してほしいとの声が多くあったので解説しようと思います。

この実写モーショングラフィックスの作業工程は大きく分けて下記の3つです。

  1. 標識の動きを一つのコンポジションで作成する。
  2. 合成する動画の入れ替える部位をトラッキングする。
  3. 背景に馴染ませる。

一つづつ順を追って解説していきます。メカニズムさえわかってしまえば様々な応用ができます。

標識のモーションを作成する

さて、まず標識のモーションを作っていきます。まず、標識の写っている動画を読み込みます。

コンポジションのサイズを調整

次に、最初のフレーム合わせでコンポジション内の標識の大きさにコンポジションを調整しましょう。コンポジションの端がちょうど標識の橋と重なるくらいに調整しておきましょう。

文字やロゴ以外の標識のベースを作る。

シェイプレイヤーを作成し、標識のベースを作りましょう。

一個目(一番下)のシェイプはこんな感じ↓

二番目のシェイプはこんな感じ(枠線になります。)↓

最後に一番上のシェイプはこんな感じ↓

以上三つのシェイプレイヤーで標識のベースができました。背景の素材を非表示にし、シェイプレイヤーのみを表示すると下記のような感じの素材になります。

これでベースとなる標識が完成です!さあこのベースの中で好きに遊んでいきましょう!

標識の文字などの要素描き、動かしてみる。

まず、標識の文字を打ち込みましょう。道路標識は一般道は丸ゴシック、高速道路は角ゴシックなので、とりあえず丸ゴシックで「止まれ」を描きましょう。ヒラギノ丸ゴシックだとこんな感じになりました。↓

ハートを二種類作る

次に、インスタ風のいいねのマークを作ります。縁が白のハートと全体が白のハートの二種類を作ります。インスタ実物のスクショでもいいのでマップ用に画像を読み込み、シェイプレイヤーでハートを作っていきましょう。※下記は全体が白のいいねになった時のハート

タイムラインを下記の図のようにハートのシャイプを後ろにずらしておきましょう。

次に、白ハートのみ更にずらし、下記のようにスケールが切り替わる瞬間を最小になるようにキーフレームをうちましょう。

ハートの直前で「止まれ」が左にずれるようにキーフレームを打ちましょう。ここで、白ハートに打ったキーフレームを両方選択した状態で、下記のエクスプレッションを打ち込みましょう。エクスプレッションの記入は、キーフレームのバタンをaltを押しながらクリックすることで書くことができます。(コピペで大丈夫です。)

amp = 0.02;
freq = 10;
decay = 10;

n = 0;
if (numKeys > 0){
n = nearestKey(time).index;
if (key(n).time > time){
n–;
}
} if (n == 0){
t = 0;
}else{
t = time – key(n).time;
}

if (n > 0){
v = velocityAtTime(key(n).time – thisComp.frameDuration/10);
value + v*amp*Math.sin(freq*t*2*Math.PI)/Math.exp(decay*t);
}else{ value; }

上記のエクスプレッション構文は、TORAERAさんが以前発信していた構文をちょうどいい値にいじったものです。参考記事はこちらからご参照ください。
この構文を記入することでボヨンッとハートが軽く跳ねてくれるのでインスタグラムのいいねの感じに近づきます。

これで赤ハートと白ハートの二つのレイヤーをプリコンポーズしておきましょう。

次に、プリコンポーズしたハートの直前で「止まれ」が左にずれるようにキーフレームを打ちましょう。同時にプリコンポーズしたハートも止まれがずれるのに合わせて右から真ん中へ移動させましょう。

モーションブラーを入れておくといい感じになります。お好みでイージーイーズをかけて動きを自然にしておくと尚いいでしょう。

次に、流れる軌跡をシェイプレイヤーで作っていきます。下記を参照ください。

雑w(これでもバズってるのでご安心ください笑)
実はこれ、パスのトリミングで動きをつけた上でコピペで作っています。

動かす素材を全てまとめてプリコンポーズ

さて、これで動きと素材は揃いました。次に、横に移動した際、素材が見切れるため、それを標識のベースのアルファマットをとることで見切れを抜きます。そのために、動かす素材を全てプリコンポーズしましょう。

次に、一番上の標識のレイヤーを複製し、プリコンポーズした素材の上に配置し、トラックマットをアルファマットにします。

これで、動かす標識のコンポジションは完成しました。

ここまで(入れ替えるコンテンツの作り方)を一旦まとめます!

  1. ベース(動かす物体の一番外枠)を作る
  2. とりあえず何も考えずアニメーションを作る
  3. ベースを複製し、一つをアルファマットでアニメーションの外側を抜く

この順序でやればできるはずです。

トラッキングする

次に、動かす標識のコンポジションとは別に元素材を新たなコンポジションで読み込みましょう。トラッキングと呼ばれる動画内の特定の部位を追従しキーフレームとして書き出す作業を行います。

まず、エフェクト&プリセットから[Boris FX mocha<Mocha AE CC]を適用しましょう。

Mocha AE CCを起動

Mocha AE CCを適用すると、Mochaのかっこいいロゴが出てくると思うので、クリックして起動しましょう。はじめに登録画面などが出てくるかもしれません。登録してもしなくても使えます。

起動すると、上の方に下記のような画面が出てきます。今回はClassicのバージョンでトラッキングしていきましょう。(1画面で必要な情報タブが綺麗に整っていると思うので。笑)

そして、次にXスプラインレイヤーツールを選択します。

次に、最初のフレームにタイムラインを合わせましょう。そして、標識の外枠をクリックしながらライン引きをしていきます。少し大きめでも大丈夫です。小さくするくらいなら大きめに引いておきましょう。笑

次に、Show planar surfaceというSマークをクリックしましょう。これは、トラッキングするものの外枠を正確に面として読み込ませるための作業のためです。面の接する上下左右を合わせましょう。

こんな感じです↓

さて、いよいよトラッキングをしていきましょう。何も怖くありませんので安心してください。

最初のフレームにタイムラインが合っていることを確認し、プレビュー画面の下のTマークをクリックしてトラッキングを開始します。

さて、これでプレビュー画面の下のバーが赤から青に変わっていればトラッキング完了です。これで、左上のレイヤーズ画面にトラッキングしたキーフレームの情報が記憶されています。

これで、Command + Sで保存してmocha画面を終了します。

プラナートラッキングについて

今回使用した「Mocha AE CC」のトラッキングの種類のことをプラナートラッキングと呼びます。

After Effects のポイントトラッキングとは異なり、面でトラッキングをします。このプラナートラッキングによって、例えばロトスコーピングで任意のマスクデータを切り出し、動きのある特定の部分を消したり、別素材を貼付けたりするなど、ハリウッド映画でも多用される映像合成を素早く行うことができます。

FlashbackのHPより

データを呼び出しアンカーポイントを調整し、合成する

そして、次に、前の章で作ったコンポジションをトラッキングしたコンポジションに入れて一番上の階層においておきましょう。

さて、それではトラッキングしたデータを呼び出しましょう。
MochaのTracking DataからCreate Track Dateをクリックしましょう。すると下記のようなレイヤーズ画面が出てきます。

歯車マークをクリックしてOKを押すと、キーフレームとしてデータが呼び出されます。

トラックデータを読み込み、エクスポート先を選択すれば、あとは一番下のApply Exportのボタンをクリックします。

アンカーポイントを操作し、位置を調整

これで、トラッキングは完了しているので、アンカーポイントの位置を調整しましょう。[A]を押すとアンカーポイントをいじれるようになります。

これで、看板の位置に合わせれば完了です。

こ、これは。。。。バレない!笑

背景に馴染ませる

さて、最後に背景に馴染ませるために、少し汚したりする作業を行います。具体的に下記の3つのエフェクトを使用します。

  1. 高速ボックスブラー
  2. グレイン(マッチ)
  3. チョーク

高速ボックスブラー」は、軽くぼかしを入れるために使用します。「グレイン(マッチ)」は周りのノイズを検出し、周りを真似たノイズを再現するために使用します。「チョーク」はエッジを馴染ませるために使用します。プラスの方向に変更すると境界線を内側にずらしてくれます。

今回はこんな感じに調整してみました。赤枠で囲んでいる箇所が変更した部分です。

これで合成は完了です!

まとめ

今回は、このような標識や看板、鏡などの限られた場所に埋め込むためのコンテンツの作り方を特に集中的に解説しました。他にも参考になる(Mocha関連の)動画をいくつかあげておきます。

きむらえいじゅん – Eijun」さんの「[FreeDL]マネするだけで標識をうごかせる – AfterEffects

↑Macでの解説をしている方です。プラナートラッキングを詳しめに面白く解説しているのでおすすめです。

Studio U29」さんの「【AfterEffects】ダンボールをスマホにするVFX チュートリアル / dPhone VFX Tutorial (Cardboard Phone VFX))

↑Windowsユーザーの方です。発想が斬新で面白かったです(笑)

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早稲田大学卒業→大手音響会社に新卒で就職→デジタルサイネージ向け動画の企画、編集などの業務に従事→田舎で映像フリーランスとして企業VP・株主総会動画・アプリ紹介動画・WEB動画教材コンテンツなど、企業様の動画コンテンツのオンライン編集をメインにお仕事を受注。 銭湯が好き。

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