指定した色を変更する3つの方法/After Effects CC 2019

2019/04/21
 
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カズノコ
早稲田大学卒業→大手音響会社に新卒で就職→デジタルサイネージ向け動画の企画、編集などの業務に従事→田舎で映像フリーランスとして企業VP・株主総会動画・アプリ紹介動画・WEB動画教材コンテンツなど、企業様の動画コンテンツのオンライン編集をメインにお仕事を受注。 銭湯が好き。

カズノコ(@kazunokoblog)です。今回は、After Effects CC の標準エフェクトに搭載している機能だけで映像の特定の色変更の仕方について解説します。色変更の方法はいくつかありますが、今回はAfter Effectsに標準搭載しているエフェクトを適用したやり方をご紹介します。

※本記事はAdobe After Effects CC 2019を使用していますが、CC以上のバージョンであれば対応しているはずですのでご参照ください。CS以前のバージョンをご使用の場合は多少エフェクトの名前が変わっている可能性がありますのでご注意ください。


指定した色を変更する目的

今回、指定した色を変更する目的は、映像演出の幅を広げるためです。例えば、ビールのCMで液体の部分の色だけを金色にしてその他の色を白黒にするような映像演出が使われています。また、単色のカバンの色が変化していく、または、踊っている少女のドレスの色が次々に変わっていくような演出も見たことがあるのではないでしょうか。このように、映像では色を使って遊ぶ基本を学んでおくことは演出の幅を広げることに繋がると思います。

指定した色を変更する方法

さて、それではAfter Effectsで特定の色を変更する方法について解説していきます。After Effectsの標準エフェクトで特定の色を変更する方法は主に3つあります。「色を変更他のカラーへ変更特定色域の選択」の3つのエフェクトで色変更を行うことができます。今回はこの3つのエフェクトでどのようなフローで色を変更するのかを見ていきます。

色を変更

まず、「色を変更」を使用するやり方です。指定したカラーだけを変更するオーソドックスなやり方です。このエフェクトは、イメージ内の指定したカラーを変更するために用意されたエフェクトです。色相・明度・彩度から調整方法を選択し、抽出したカラーの範囲や柔らかさ、類似性の調整に使用するカラーベースの設定を行います。

それでは、新規コンポジションを作成し色の変更をしたい素材を配置します。

次に、【エフェクト<カラー補正<色の変更】で「色の変更」を適用します。

「色の変更」を適用すると、下記のようなエフェクトパネルが出てきます。

各項目の詳細は下記の通りです。

表示 コンポジションでの表示方法を選択します。

「レイヤー補正」

エフェクトの適用結果が表示されます。

「カラー補正マスク」

補正するレイヤーの領域を示すグレースケールマットが表示されます。白いところは補正が大きく、黒いところは補正が少ないことを表します。

色相の変更 指定したカラーの色相を調整します。ここでどんな色に変更するかを決定します。 0を基準に「-180から180の間」で調整します。
明度の変更 指定したカラーの明度を調整します。数値が大きいほど明るくなり(光沢のようになります)、数値が小さいほど暗くなります。0を基準に「-100から100の間」で調整します。
彩度の変更 指定したカラーの彩度を調整します。数値が大きいほど変更するカラーが濃くなり、数値が小さいほど淡く(のっぺりした感じに)なります。0を基準に「-100から100の間」で調整します。
変更するカラー 変更したいカラーを設定します。スポイトを使用することをお勧めします。色かぶりを少なくするために、なるべく指定するカラーの明るいところを選択しましょう。スポイトを使用する場合、直接画面内をクリックすることによってカラーを抽出することができます。
マッチングの許容度 「⑤変更するカラー」の類似度を設定します。数値が大きいほど、変更するカラーの領域が増えます。今回使用した服の赤色だと、だいたい30%くらいで綺麗に色が変わりました。かなり精度は高いです。「0%から100%の間」で調整します。
マッチングの柔軟度 許容度の柔らかさを設定します。変更するカラーと一致しないカラーに対する、エフェクトの許容度合いが設定されます。言葉ではわかりにくいのですが、表示方法を「カラー補正マスク」で観察すると柔らかく許容度が広がって行くのがわかります。
マッチングの適用 指定したカラーとの類似度を調整するためのカラースペースを「RGB」「色相」「クロマ」から選択します。類似度の調整は意外と大切だと思います。「RGB」と「色相」の違いを見てもわかると思いますが、「RGB」だと画面全体の色が変化します。「色相」にした場合は、補色に近い色はほとんど変化しないので色の差が激しい場合には効果がありそうです。
カラー補正マスク反転 「オン」にすると、エフェクトの影響を受けるマスクを反転します。

今回、標準エフェクト「色を変更」で色を変更させると、下記のような変化をつけることができました。この画の場合、白色の再現が気になるかと思っていましたが、「マッチングの適用」で設定を「色相」にすることで白色もかなり綺麗に再現できたと思います。

今回のプロパティは下記の通りです。

色相の変更 134.0
明度の変更 0.0
彩度の変更 0.0
変更するカラー スポイトで帽子の頂点あたりを選択
マッチングの許容度 31.0%
マッチングの柔軟度 15.0%
マッチングの適用 色相使用
カラー補正マスク反転 オフ

他のカラーへ変更(HLSスライダーを使用)

次に「他のカラーへ変更」を使用したカラー変更の方法についてです。このエフェクトは、HLSスライダーを使用し、指定したカラーだけを変更する方法です。選択したカラーを「色相、明度、彩度」(HLS)の値に基づいて別のカラーに変更する方法です。前述の「色を変更」エフェクトとの違いは、色相・明度・彩度のスライダーや変更後のRGB値を選択できるということです。簡単にいうと、ダイレクトに選択した色を直感的に好きな色に変更できるということです。わかりにくいと思いますが、作業してみると徐々にわかってくると思います。

それでは、前の素材をプリコンポーズして(普通に素材を読み込んでも大丈夫です。)赤と緑の二色のベストの素材を使用して「他のカラーへ変更」を適用していきます。「エフェクト<カラー補正<他のカラーへ変更」で適用できます。

「他のカラーへ変更」を適用すると、下記のようなプロパティが出てきます。

各項目の詳細は以下の通りです。

変更するカラー 変更する範囲の中央のカラーをカラーピッカー、またはスポイトで直接クリックして設定します。ここは、正確にカラーを選択したいのでカラーピッカーよりスポイトで色選択をする方が良いと思います。
変更後のカラー ピクセル変更先のカラーをカラーピッカー、またはスポイトで直接クリックします。ここはカラーピッカーでも構いません。直感的に好きな色を選択してください。
変更するチャンネル エフェクトを適用するチャンネルを「色相」「色相&明度」「色相&彩度」「色相、明度&彩度」から選択します。
変更オプション カラーの変更方法を選択します。

「カラーに設定」

対象ピクセルを直接変更後のカラーに変更します。

「カラーに変換」

HLSの値を補間し、ピクセルを変換するカラーに近づけます。

許容量 「色相・明度・彩度」を変更する範囲を「色相・明度・彩度」それぞれのスライダーで設定します。
柔らかさ エッジのぼかしの強さを設定します。数値が大きいほどカラーの変化の境界が滑らかになります。
補正マットの表示 ピクセルの変化量をグレースケールマットで表示します。白いところは変化が大きい領域を表しており、黒いところは変化が少ない領域を表しています。

「他のカラーへ変更」を適用しカラー変更を行うと、下記のような変化をつけることができました。

色の再現度合いが凄まじく素晴らしい印象です。ちなみに各プロパティは下記のようにしました。

変更するカラー スポイトで色指定を行いました。こんな感じです。
変更後のカラー こちらもスポイトで色指定しました。
変更するチャンネル 色相
変更オプション カラーに設定
許容量 色相:5.0%

明度:50.0%

彩度:35.1%

柔らかさ 50.0%
補正マットの表示 なし

よく見てみると、ボタンの色の違いまで判別していることがわかります。しかしさらによく見てみると、「他のカラーに変更」エフェクトで色変更した場合の素材は、指定した色(緑)の境界に若干ですが元の色(赤)が残っています。境界のぼかしはこのエフェクトに装備されていないので諸刃の剣といったところでしょうか。

特定色域の選択

それでは最後に「特定色域の選択」を使用して色の変更を行なっていきます。このエフェクトでは、CMYK別にカラー補正を行う方法をお伝えします。選択した色域(CMYK)のみを個別に色調補正します。Photoshop CC にもこの「特定色域の選択」という項目が存在します。After Effects CCにおいて、Photoshopのこの機能を再現するためにあるエフェクトです。

それではまず、「エフェクト<カラー補正<特定色域の選択」で素材にエフェクトを適用します。

「特定色域の選択」を適用すると、下図のようなプロパティが出てきます。

各項目の詳細は以下の通りです。

選択方式 色調補正の方法を選択します。

相対値

カラーの含有量との比率を%で設定します。

絶対値

カラーの増減を絶対値で設定します。

カラー 調整する色域を「レッド系」「イエロー系」「グリーン系」「マゼンタ系」「白色系」「中間色系」「ブラック系」から選択します。
シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック カラーで選択した色域の各インク量をそれぞれの%で調整します。
詳細 補正したカラーの情報を確認します。複数のカラーを同時に調整する場合や全体のカラーの確認に使用します。

ちなみに「詳細」はかなり詳細に設定することができます。※下図参照

「特定色域の選択」を使用してカラーを変更すると、下図のような変化をつけることができました。

元の色をベースにしているため、少し色合いに元の色の感じがありますね。真緑を目指したのですが、相当調整に時間がかかると思います。今回は詳細の調整をいじらずカラー項目のみでできる限り緑に近ずけて見ました。ちなみにプロパティは下記のようになりました。

選択方式 相対値
カラー レッド系
シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック シアン:100%

マゼンタ:-100%

イエロー:0%

ブラック:100%

詳細 変更なし

さらに緑感を出したい場合は詳細設定をしっかり考える必要があると思います。特定のイメージの色のみを変更する場合に「特定色域の選択」エフェクトはかなり不向きだと感じました。逆に映像全体のカラー・コレクションを行う場合には通常のカラー・コレクションの作業フローを簡略化できるのではないかと感じます。After Effects を使用した本格的なカラー・コレクションについての記事を以前書きましたので映像全体のカラー・コレクションを行う場合は「Lumetriカラーを使用したカラーコレクション」をご覧ください。

まとめ

今回は「色を変更」「他のカラーへ変更」「特定色域の選択」のエフェクトを使用したAfter Effects CCで指定した色を変更する方法について解説しました。それぞれのエフェクトを使用する際、やりたい映像効果の特徴によって3つのエフェクトでは使いやすさが変わるがあることがわかりました。今回わかったことを下の表でまとめて見ましたので、色で遊ぶ際は下記を是非確認してみてください。

色を変更 色相をいじりながら色を考えたい人にオススメな方法。色の違いが明確な素材で特に効果を発揮する。
他のカラーへ変更 直感的な色変更をしたい人にオススメな方法。色変更の前後の設定が詳細に設定できるのでこだわりの強い人はこちらで色変更する方が満足感が得られると思います。しかし、エッジをぼかせないので注意が必要です。
特定色域の選択  風景など、画面全体で色の違いを出したい人にオススメな方法。

おまけ

おまけです。

今回の記事で扱った色変更のエフェクトの作例を載せようと思います。エクスプレッションを利用し、「ランダムに特定の色を変化させる」ことに挑戦してみました。エクスプレッションの例文は「コピペでOK!エクスプレッションのサンプル例文集」の記事を参考にしてみてください。

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早稲田大学卒業→大手音響会社に新卒で就職→デジタルサイネージ向け動画の企画、編集などの業務に従事→田舎で映像フリーランスとして企業VP・株主総会動画・アプリ紹介動画・WEB動画教材コンテンツなど、企業様の動画コンテンツのオンライン編集をメインにお仕事を受注。 銭湯が好き。

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